■4. 韓国ドラマとK-POP - ① -

1)リュ・シウォンのプロ野球始球式について

  

2007年、東京ドームでプロ野球の巨人対阪神戦が行われた。

 

しかし、この日の東京ドームの観客はいつもと違っていた。プロ野球といえば、大人の男性が圧倒的に多いのが普通だが、この日は大人の女性の姿がいつもより多く、しかも、実ににぎやかな雰囲気を醸し出していた。

 

彼女たちの目当ては、実は野球ではなく、始球式に登場するスターを見たかったからだ。胸にGIANTSと書かれたユニフォームを着て現れたのはリュ・シウォンだった。

 

彼は同じく韓国から来ているイ・スンヨプ選手を捕手役にして、かなり速いボールを投げた。ストライクではなかったが、素人とは思えないほど力が強かった。その瞬間、多くの大人の女性が大歓声をあげた。

 

その始球式を見届けた女性たちは、すぐに観客席から移動をはじめて、バックネット裏の一番奥にある通路の前に集結した。続々と女性たちが集まってきて、通路が完全にふさがってしまったのだ。

 

そんな騒然とする中で、ようやく姿を現したのは、始球式を終えてしばし休息をとっていたリュ・シウォンだった。彼は集まっているファンに笑顔で手を振って通路を横切った。

 

すると、今度は観客席のほうから大きな歓声があがっている。放送ブースにゲストで呼ばれたリュ・シウォンの姿を観客席で見ている人たちが、盛んにカメラを向けたり手を振っているのだ。

 

そんな場面を見たいがために、ファンは早くから通り沿いでずっと待っていた。その忍耐力には本当に感心させられる。

 

まさに「野球場の一部が大人の女性たちに占拠された」

 

そんなフレーズが浮かぶほどの光景だった。韓流スターを通して大人の女性の行動範囲が広がったことは確か。しかも、この日の観客導入数アップにも大いに貢献している。本当に熱心な韓流ファンはさまざまな波及効果をもたらすのだ。

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