■「冬ソナ」ブーム - ③ -

3)「冬のソナタ」監督のイ・ヒョンミンの考え方

 

冬のソナタは2003年9月に終わった。普通、放送が終われば話題も途切れる。そして、次の作品に代わる。それがテレビドラマだが、「冬のソナタ」は違っていた。

 

余韻が冷めないのである。こんなドラマは初めてだった。そこでイ・ヒョンミン監督のことを韓国のメディアを含めインターネット上で探してみたのであ る。ヨンセ大学校に1年間の留学経験もあり、韓国語が得意な私はそのとき、「冬のソナタ」のクライマックスシーンは最初、北海道で撮影する予定だったこと が分かった。北海道在住の私にとってはとても興味深い話だった。

 

なぜ、北海道に行こうとしたのか。「冬のソナタ」の最後は雪のシーンで終わらせるつまりだったのに、クライマックスの撮影時は3月中旬で、韓国では雪がもう残っていなかったからだそうだ。

 

しかし、脚本の出来上がりが大幅に遅れ、北海道へ行く準備もできなくなり、最終的に韓国の外島(ウエド)で撮影することになったようだ。今にして思えば、最後は外島の「不可能の家」で終わって良かったと思う。

 

冬の白い雪の世界で始まったドラマなので最後も雪の中で締めくくったほうがいい、という意見もあったが、それだと最後は悲劇的なイメージになりやす い。それより、ユジン役(チェ・ジウ)とチュンサン役(ペ・ヨンジュン)が再会して未来を感じさせるという意味では、南の島の方がふさわしかったのだ。

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